CHROとして如何にビジネスに価値をもたらすか | HR Leaders NEXT

人事リーダーズインタビュー

CHROとして如何に
ビジネスに価値をもたらすか

Infosys Limited
Human Resources Group Head

Mr. Krish Shankar

※所属・役職インタビュー当時

2019年3月1日

Infosysの人事責任者Krish Shankar氏へのインタビューにて、CHROの役割とそれがビジネスにもたらす価値について伺いました。

問:CHROの役割とは?

CHROの役割は、会社の戦略を元に人事が行うべき業務を正しく定めることです。一番大事なのは、リーダーシップチームと上手に業務を進めていくことです。二つ目に、会社のビジネスが求めていること、考えていること、そして優先としていることを理解することです。三つ目に、適切なタレントやスキル、リーダー、プロセス、他社との違いを明確にする企業文化などといった人事の役割を理解することです。COEは具体案を出したうえでマネジメントを行い、CHROはそれを純粋に実行します。

問:そのようなCHROになるために、若手人事プロフェッショナルへのアドバイスは?

ビジネスリーダーと関わることでビジネスについて学び、ビジネスリーダーやビジネスそのものが求めていることを把握することです。人事マネージャーは小さな部門のリーダーシップチームを統括し、運営してみるほうが良いでしょう。人事部門を統括することは部門内で実現したいことを考えることにもつながるため、CHROとしての役割を担っているような感覚をつかむことができます。次に、部門を越えたプロジェクトをリードすることです。例えば、営業職の動機付けに関するプロジェクトを進めることで、営業職の社員や人事と関わることができます。これによって、実際のビジネスラインに基づいて物事を考える力を養うことができます。また、営業職に必要なスキルや役割について検討するプロジェクトを行うのも一つだと思います。このようなプロジェクトを行うことで、ビジネスについてより深く理解できるようになるでしょう。さらに、プロジェクト等を通して、人事のCOEの役割を担う全員と交流を持つことです。報酬/福利厚生や組織開発のCOEと交流を持つ機会がなければ後々苦労することになると思います。

個人的には、ビジネスを運営することは良い経験だと感じましたが、必ずしも必要ではないと思います。最近ではプロジェクトなど様々な方法でビジネスを学ぶことが可能です。当然、ビジネスを運営することでプラスにはなるでしょう。全ての人事部門社員が二年間ほどビジネスを運営することでビジネス自体を考える役に立つとは思います。責任感が増すという意味でも望ましいとは思います。あるいはプロジェクトなどを通してもビジネスの知識は学ぶことができます。

日々の業務の中では、リーダーとコミュニケーションを取ることによって現場で起こっていることを把握する必要があります。現場や外部の人と関わることによって課題やそのための解決方法を見出すことが重要な役割です。常に目も耳も注意を怠らず、各部門に足を運び社員と話をすることが大切です。

問:事業運営におけるCHROの仕事の価値をどのように考え、それを実践するか?

まず、会社が成功するためには社内CHROがより重視されるようになってくるかと思います。日本の会社にも質の高いCHROがいればより良い成果が出せると感じます。二つ目に、CHROになるための準備を整えることです。人事プロセスを変えることで会社全体の文化も変えることが可能なので、CHROは会社を変えられるという認識が重要です。人事が鍵を握っていますし、会社を変える情熱と野心が大切です。三つ目に、外部で行われていることを社内に持ち込むことも重要です。このためには、人事マネージャーが外部ネットワークと強く関係を結んでいる必要があり、会社にとって有益となる情報を学び、それを内部に持ち込む力をつけることが大切です。四つ目に、社内において能力の高い上位50名の社員を把握し、彼らを動機付けている要因、そして彼らを上手に活用するためにすべきことを認識することです。CHROとして、上位数十名のリーダーを育成し、より良い結果を出してもらうだけでも会社にとっては非常に大きな影響があると思います。上位50名の社員により活躍してもらうためのコーチとしてのマインドセットがあったほうが良いです。もちろん最初は50名ではなく十名でも充分です。五つ目に、質の高いCHROになるためにビジネスや枠を超えた知識を習得することです。

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